働き方改革で有給休暇が義務化?③「5日」の有給の定義とは
目次
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前年度からの繰越有給休暇の扱い
繰越があっても5日休めばOK
基準となる1年の間にどうあれ5日以上の有給を使えば条件をクリアすることになります。
前年度からの繰越有給があった場合でも、1年間で5日の有給を使っていれば問題ありません。「有給として」取得さえしていれば、その有給が前年度からの繰越分でも本年度の付与分でも良いと考えられます。
独自の休暇制度がある場合
「有給休暇」以外での休暇はカウントされない
年次有給休暇以外の休暇を取得させたとしても、それとは別に「有給として」5日以上休ませる必要があります。
但し、労働基準法より有利になるように就業規則で定められた有給を使用した場合については「有給として」休んだと解されます。例えば、労働基準法上は6ヶ月勤務して初めて有給が付与されますが、就業規則の定めにより入社初日から有給が付与されている場合などは、「労働基準法上の有給」には当てはまりませんが有給としては認められます。
特別休暇を有給休暇に整理替え出来るのか
では就業規則を変更し、「特別休暇」として扱っていたリフレッシュ休暇を通常の有給休暇の扱いに変更すれば5日の取得にカウントされるのでしょうか。
結論からすると、変更出来ればカウントされますが、そもそも変更出来る可能性が低いです。
就業規則を改正して廃止するのは「就業規則の不利益変更」に当たるので、合理的なものである必要があります。ただ単に会社が有給取得義務を果たすための変更というだけではなかなか難しいと思われます。
出勤日を増やすことによる対応可否
不利益変更となりハードルが高い
まず先ほどと同様に就業規則を改正して、一部休日を出勤日にする必要があります。しかしながらこれも「就業規則の不利益変更」に当たるので、合理的なものである必要があります。
5日の有給が消化出来ない会社となると、特別休暇等があり元々の休み自体がそれなりにある会社とは異なるので、先ほどの特別休暇の廃止以上に合理的な理由が必要であると解され、合理的と認められることは困難ではないかと思います。
今まで異常に休みが多く、有給を使わずとも休めていたようなケースでは例外的に認められる場合があるかもしれませんが、基本的に出来ないと思っておいた方が良いでしょう。