中小企業支援コンペ
先日2018年11月17日(土)、赤く燃え上がる京都の自然をよそに、「中小企業支援コンペ」というものに参加してまいりました。おかやま中小企業支援実務家協議会というところが主催されているものなのですが、知人の弁護士が代表理事の方と知り合いだったので、その縁で参加しました。
場所が大学時代を過ごした京都だったことが参加のポイントでしたが、弾丸スケジュールのため何もできずに帰宅・・・
コンペの内容は、架空の企業の事例(今回は事業承継問題でした)に対しチーム単位でプレゼンを行うというもので、私は弁護士や司法書士、保険会社の方とチームを組んで参加しました。課題は想像以上に手が込んでおり四苦八苦しましたが、なんとか駆け込みでプレゼン資料を完成させ本番に挑みました。
参加された他のチームの方々の素晴らしいプレゼンを聞き、「もっと良い案を提案できたのではないか」と反省する一方で、知的好奇心を駆られる議論もでき得られるものも多かったです。
事業承継はまだまだ発展途上の分野だと実感するとともに、全チームが異なる内容の提案をしていたことから、各々の経験と個性を生かせる分野であることも実感できました。
事業の引継ぎには相続も絡みます。そこで避けて通れないのは税務です。さらに、円滑な承継には法的知識も必要であり、企業支援という部分を見ればコンサルティングの能力も必要です。
事業承継税制ひとつを取ってみても、複雑な要件が絡み合いますので、利用しようとしたのは良いが障壁にぶつかってしまったといったことが多々あります。後継者選定においても明日から交代というわけにもいきませんし、どうやって後継者を決めるのか、後継者を後継者にふさわしい人材に育成するにはどうしたらいいのか、業界の変化に合わせて企業はどう変わるべきなのか、そういった点も考慮していく必要があります。
今までは俗に言う縦割りの形で、各々の専門家がバラバラに活動してきた面もありましたが、弁護士だけでなく、税理士や司法書士、社会保険労務士や中小企業診断士といった士業はもちろん、金融機関や保険会社の関係者も含めたチームを結成すれば、より多角的なアプローチが可能となります。
当事務所にも中小企業診断士がおりますので、今後の発展のためのコンサルティングも含んだ、より総合的な事業承継提案を行っていきたいと考えております。
単純に相続と役員変更という部分だけで関わっていると、後継者支援や経営体制の変革といった肝心なことがないがしろになってしまいますし、節税に固執すれば効果的な経営が後退する可能性もあります。「クライアントが何を最も欲しているのか」「何が事業承継の障害になっているのか」といった点を慎重に見極めていく必要があります。
今回の一番の収穫は、他の士業の方と協力して一つのものを作り上げたことで、他の士業の方との輪が広がったことです。
何はともあれ、ひどく疲れましたが充実した京都出張でした。