内容証明の作り方・出し方

今日は事務局からのお届けです。先日内容証明を発送しましたが、いくつかつまずいたポイントがあったので、我々の備忘も兼ねてこちらでお伝えしたいと思います。

「内容証明」とは?

日本郵政のホームページを引用すると次の通りです。

いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。
当社が証明するものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。
内容文書とは、受取人へ送達する文書をいいます。
謄本とは、内容文書を謄写した書面をいい、差出人及び差出郵便局において保管するものです。

内容証明を送付しておくことで、相手方が文書の改ざん等を仮に行った場合でも証拠を備えた反論が可能になるため、法律事務所などではしばしば利用されるものです。

作成方法

文面の書き方には決まりがある

縦書きの場合:20字×26行 以内

横書きの場合:20字×26行 以内/13字×40行 以内/26字×20行 以内 のいずれか

に定められています。現地に持って行った時に窓口で確認してもらえますが、もし不備があればその場で修正する必要があるため訂正印を持って行った方が良いでしょう。

数えながら改行すると当然かなり時間をロスするので、Wordのレイアウト機能で26×20などに設定しておくようにしましょう。作成作業の効率化のみならず、数え間違いでの修正を防ぐことにもつながります。

設定方法ですが、Wordの「ページ設定」から「文字数と行数を指定する」にチェックを入れ、作成したいフォーマットに合わせた文字数・行数を記入すればOKです。(スマホからだともしかしたら画像が見づらいかもしれません)

但し、このレイアウトだと場合によっては書式不備で差し戻される可能性があります。

句読点に要注意

下記画像を見ていただけるとわかりますが、上記の設定を行っただけでは句読点などが行末に来た場合改行されません。

一般の文章であればその方が見栄えが良いのでいいのですが、内容証明の場合は「句読点等も一字としてカウントする」ため、このままだと字数オーバーになってしまいます。

かといって句読点が行末に来ていないか逐一チェックしながら改行するのも手間なので、ここもWordのレイアウトで対応します。

今度は「段落」の「体裁」タブを開き、「禁則処理を行う」「句読点のぶら下げを行う」のチェックを外します。すると、行末の句読点が改行されたと思います。(画像小さいですね・・・)

差出人・受取人の住所氏名

末尾余白に差出人と受取人の住所氏名を記入します。但し、法律事務所で扱うような文書であれば冒頭に記載されているかと思いますが、そのように本文中に記載がある場合は省略可です。

複数枚ある場合

複数枚あっても作成作業自体は淡々と行えばよいのですが、印刷後にいくつかポイントがあります。

片面印刷とする

両面印刷がダメとは明記されていません(見落としていたらすみません)が、一枚につき26×20となっているので、裏面まで記入すると26×40となってしまうのでアウトかと思われます。26×10にすればセーフなのかもしれませんが、そこまでして両面に出す必要性は低いですね。

ホッチキス止め

ホッチキス止めするのですが、一般的には「左に2か所」です。1か所で受理されないわけではないようですが、次に述べる「つなぎ目への押印」が難しくなります。

つづり目に契印

最後に、ページのつなぎ目に押印を行います。印鑑については差出人本人のものであれば特に種類は問われないようです。

よくわからなかったので押さずに印鑑持参の上窓口で聞きましたが、写真のように「前頁と当頁の両方にまたがるように」押せばOKのようです。

2枚であれば1回で済みますが、3枚以上あればつなぎ目ごとに押す必要があるので面倒です。が、特段省略出来る術も無いので淡々と押していきましょう。後ほど触れますが、3部必要なのでなおのこと面倒です。踏ん張りましょう。

提出方法

準備するもの

先ほど作成した文書が3通(送付用、郵便局保管用、控え用)必要になります。また、差出人・受取人双方の住所氏名が記載された封筒が1通必要になります。(これは当然と言えば当然ですが)

封筒については種類や書式は無いので、当事務所では三つ折りにして長形3号の封筒で送付しました。

最後に郵便料金ですが、通常の郵便料(82円や92円など)に加え、一般書留430円・配達証明を付ける場合は更に310円加算されます。(配達証明については後ほど説明します)

内容証明の料金については430円で、その後1枚増えるごとに260円増となります。

例えば6枚を配達証明付きで送付すると

  • 郵送料 92円
  • 一般書留 430円
  • 配達証明 310円
  • 内容証明 1,730円(430+260×5)

で合計2,562円が必要となります。

提出先

勿論郵便局ですが、最寄の郵便局でOKというわけにはいきません。(実際行って断られましたが笑)

郵便局検索サービスから「内容証明」にチェックを入れて探すと、対応している郵便局が出てきますが、意外と少ないです。急ぎで出したいが営業時間ギリギリになってしまいそうな場合、もし遠くにあると大変なので予めチェックしておく方が良いでしょう。

配達証明

配達したことを証明してくれるサービスですが、こちらから申し出ないと付いてきません。(親切に確認してくれる方もいらっしゃるかとは思いますが)

発送後1年以内に受領証を提示すれば、差出後に請求することも可能ですが、その場合310円ではなく430円かかってしまいます。何より手間もかかりますので、内容証明の送付時に併せて申請しておくのがベストです。


以上です。頻繁に出す事務所もあれば稀にしか出さない事務所もあるかと思いますが、慣れないと忘れがちですので注意して作成しましょう!

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