【事例紹介|交通事故】相手方が保険利用を拒否!

何の気なしに交通事故の依頼を受けたのですが、なかなかすんなり終わらずに1年以上かかってしまいました。

相関図

保険契約者と運転者が異なる

事故直後にご来所されたので、物損と人損の両方について示談交渉することになったのですが、当初は先方(相手方)が「保険を使わない」と言っていてどうしようかと思案。

保険契約者と運転者が違う人だと、割とこういうことはあります。

人損は所有者が運転をしていなくても責任を負う

人損については、自賠法(自動車損害賠償保障法)で所有者(保険契約者)も責任を負うのが通常なので「別に保険を使わなくてもいいけど、あなたにも責任があるので払ってね」と言うと保険を使ってくれることが多い印象です。

要するに「運転していないから関係ない」という言い逃れはなかなかできない、ということです。

物損には適用されない

しかし、物損については自賠法の適用がないので、この手段を使うことができず・・・人損は解決したものの物損だけが何も進まず。

ここで保険会社の約款を見ると、保険の利用を拒否していても保険会社に請求できる場合があることに気づきます。

保険会社への直接請求

俗に直接請求というのですが、多くの保険会社の約款では、運転者(この方に保険が適用できることが前提です)に対して裁判を起こし判決を取り、確定した場合には保険会社に保険金を請求できる、と定められています。

一般的には、その裁判を起こす際に保険会社も被告に加えますが、約款にはそのように書いていません。

保険会社を被告に加えず訴訟

事前の示談交渉をしていないこともあり、保険会社を被告にすれば峻烈な争いは避けられず、裁判の長期化が懸念されました。また、運転者を訴えれば、その流れで保険を利用し保険会社が代理人を用意することも想定されますし、保険を利用しなかったとしても、とりあえず判決を取ってそれから保険会社と任意交渉するというやり方でも良いかなと思ったりと、色々悩むことも出てきそうです。

とりあえず運転者のみを訴えましたが、出廷拒否なのか欠席判決となってしまいました。どうあれ判決は確定したので、保険会社に直接請求しますよという書面を送ると、判決認容額が即日振り込まれました。

約款上は「保険会社が被保険者に対して支払責任を負う限度において」という留保がついています。なので、欠席判決だったこともあり判決で認められた額をすんなり払うものだとは思っておらず、一から交渉が始まり、まとまらなければまた裁判か・・・なんて思っていましたが、結果的には保険会社を被告に加えなかったことにより、予想以上に早く終わりました。

正攻法ではないことは重々承知の上、こんな選択肢もあるんだなぁと学んだ一日でした。といっても過去のお話ですが・・・

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